ボルボックスの性決定に関する論文について

動画の撮影主さんのブログ。生き物好きにはたまらない内容となっております。

ボルボックスのことは全然知らない素人もいいとこですけども、この生物の美しさはよく分かります。このボルボックスの性決定の研究が、すこし前にニュースになっていました。例えば以下の記事。

オスとメス別に進化 証拠発見 NHKニュース

精子と卵子で生殖を行う原始的な生物の「ボルボックス」を研究グループが調べたところ、世界で初めてメスになるために欠かせない遺伝子が見つかったということです。見つかった遺伝子は、卵子がつくられる際に働くとみられていて研究グループでは、オスとメスは、性別がない状態からそれぞれ必要な遺伝子を獲得し、誕生したとしています。

また研究内容については東京大学のプレスリリースが詳しい。元になった論文はScienceのこれでしょうか。Evolution of an Expanded Sex-Determining Locus in Volvox

こういうニュース記事になる研究って、大抵は元になった論文を読まずに「ふーん」とか分かったフリをしてしまう普段の僕ですけども、この論文については僕が設定してるPubMedのRSSに引っかかってきたのでちょっと意外でした。以下気になった部分。

ボルボックス染色体の性決定領域にMAT3という遺伝子があり、この遺伝子発現は性特異的なスプライシング制御を受けているとのこと。MAT3 mRNAはエキソン、イントロンの選択によって様々なパターンが存在しており、オス特異的、メス特異的なmRNAが検出されていました。そしてこの性特異的なスプライシングは、MAT3と同じ染色体領域にコードされているスプライシング因子によって制御されている可能性がある。

性決定に関わるスプライシングって昆虫の研究で見かけたような気がしますが、それにしても気になります(そのスプライシング制御の部分が特に)。読む人が変われば、注目する点が変わってしまう。様々に読むことができる論文って良い論文だと思います。

うーん、それにしてもボルボックス、きれいですね。大きい球体のなかに複数ある小さい球体は、娘群体だそうです。動画を観る感じだと、娘群体の配置に規則性があるような気もします。気になる。

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