実家のカメ死す

今住んでいる家で飼っているクサガメとは別に、実家ではイシガメを一匹飼っていた。それが昼過ぎに死んでしまったと、弟からの連絡で知った。

飼育期間は、僕の記憶では22年ほど。当時市営の集合住宅で階下に住んでいた女の子が、カメ飼う?と持ってきた。僕は幼稚園生だったと思う。本でしか知らなかったカメという生物に興奮して、何も考えずに飼う!と返事をした。
成り行きからして、当然僕がカメの飼育係になるものと思われたが、何年かして気がつけばそれは弟の係りになっていた。僕はただカメを愛で、時々散歩に外へ連れ出す係りだった。

好物は鳥刺しだった。普段は、近所のお店で購入できた一番安いかめのえさ。大きめの衣装ケースに水をはり、レンガを一ついれて住まいとしていた。基本的にはベランダで飼っていたけど、台風の日は暴れたので部屋の中にいれてやった。僕はゴジラよりガメラが好きな子供になった。

僕と弟が大学に行くために県外へ出て、父は単身赴任で東京へ。一人家に残ったのは母とカメ。世話は母の当番になった。父の様子をうかがいに、2、3ヶ月に一度、母は東京へ行った。ペット動物の中では丈夫な方だと思われるカメだったけど、母は飢えるカメがかわいそうだと言って、東京まで連れていった。カメは手荷物扱い、母が抱く箱の中で暴れたらしい。
そのうち父と母がまた同じ屋根の下暮らすようになり、今度はカメは父に世話された。僕を超える面倒臭がりである父がペットの世話、母から聞いた時は信じられなかった。

最近は弟が両親と住んでいるので、再び弟がお世話係りになっていた。カメは僕がもらった当時と比べるとかなり大きく成長していて、立派な老亀。帰省するたびに、眺めるのが楽しみになっていた。
でも死んでしまった。秋口の気温変化にやられたのだろうか。長生き、頑丈だと思って死ぬわけ無いと錯覚していた。カメはほんと長生きで、植物のような貫禄すらあるけど、死んでしまうとやっぱり寂しいよな。

実年齢は僕や弟と同じぐらいだと思われる。幼稚園児がこんな大人(おっさん)になるまで我が家に住むことになるとは。カメすごい。完全に家族感覚だった。

実家のカメ死す」への2件のフィードバック

  1. サミぃ

    What is Life?のサミぃです。自分も9年前からクサガメを飼っています。今は息子たちが世話していますが、自分が自宅にいないので、少し心配です。いずれにしても、生き物の死は悲しいものです。What is Life?でも先日、ペットのことを書きましたが、ご覧になっていただけましたでしょうか。ソロモンの指輪(ペットについて)

    どうか今後ともよろしく御願いいたします。

  2. Nobu 投稿作成者

    実家に帰省してもカメがいないと思うと寂しいですねぇ。サミィさんのカメも、お子さんと一緒に成長していくことと思います。

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