タグ別アーカイブ: 生物学

分子模型アプリがiPad対応に

Moleculesという名前のiPhone/iPod touch用無料アプリがあります。

Molecules (iTunesが起動します), Sunset Lake Software (作者サイト)

タンパク質のデータベースにアクセスし、3次元の分子模型を表示することができます。スクリーンショットなんかが作者サイトで見れます。

無料だし、とりあえずな感じでiPod touchに入れてたんですが、最近このアプリがiPad対応になっていました。

iPhoneやiPod touchの小さい画面の中で表示するのと、iPadぐらいの大きさの画面で表示するのとでは、同じ内容でも意味や価値が変わってきそうですね。

こういう科学系のアプリをiPadに詰め込んで、大学のノートや教科書の代わりに用いてもいいんじゃないかと思いました。特に生物学って、ヴィジュアルに訴えて知識を理解する場面が多いし、大きな画面だったら学会でデータを他人に見せるときにも便利じゃないかなぁ。

個人的にはPDF文書を読むのにスゴく欲しいんですが…それだけのために買うのはもったい無いのでiPadは多分見送りでしょう。

胆のうに関する誤解と研究者の視点

助教の先生がしばらく前に入院されていた。研究室に復帰はしたものの、お酒や激しい運動、脂肪が多い食事を控えられていた。事情を訪ねてみると、胆石を取り除く手術を行ったそうだ。

そこで胆のうの話になったんだけど、僕はずっと(小学生以来)胆のうについて誤解していたことが分かった。

胆のうは、脂肪を分解する消化液(胆汁)を作って分泌する器官、だと思っていた。これが全然違う。

まず胆汁そのものには消化酵素は含まれていない。胆汁は脂肪を乳化してその消化吸収を促進する。また、胆汁は肝臓で作られ、胆のうで濃縮、貯蔵される。

先生は胆のうをまるごと切除する手術を行った。そう聞いたときは驚いたけど、上記の理由から、胆のうは必須な消化器官というわけでは無いようだ。担当医の説明では、肝臓が腸への胆汁の分泌料を調節するように体が慣れてくる、とのことらしい。

こういう話を聞くと、医学系、薬学系の人が培養細胞の実験をin vitroと言うのが分かる気がする。培養細胞とsiRNAを使ってノックダウン実験をやる、表現型が出た、じゃあ個体でも?違うんだろうなぁ。時間をかけて作ったノックアウトマウスだって、表現型が出ないとかよくあることだし。だからといってその遺伝子に機能は無いとは言わないけど。この場合は変異が個体レベルでは相補されてしまって、表現型が隠れてしまってるのかもしれない。

背景の違う研究者によって観てるレベルが違う。当たり前と言えばそうだけど、胆石の話から思ったことでした。

手作りのスプレッダー:実験室の小ネタ

四角いスプレッダー

どこか違和感

寒天培地のプレートに細胞や薬品をまいたりするときに使う道具、スプレッダー(で通じるんでしょうか)。ガラスの棒があれば、ガスバーナーで熱しながら曲げることで手作り出来ます。

普通、三角形のものが多いスプレッダーですけど、僕が普段使っているモノは何故か四角形…。昔先輩に作ってもらったものです。使いにくいことは無いんですが、首のところが90°曲がってるので折れそうで怖い。でも折れない、そんな代物。