大学では、小学生からお父さんお母さんまで一般のヒトを対象にした、学生主体の理科の文化祭みたいなものを毎年やっています。うちの研究室も3年ぐらい連続して簡単な実験展示をやっています。モデル生物の展示、DNAを調製する実験、細胞の観察、ポスター発表など。(11月と10月の境目ごろ)
Macの中に眠っている写真をいろいろ見ていたところ、こんな写真がありました。
酵母を育てるための寒天培地の上に酵母菌を塗り、”細胞” の二文字と某キャラクターのイラストを再現しています。ちなみに塗っている菌は”分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)” で、描いたイラストは出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)。メジャー生物に迎合してしまっています。これをやった前の年は、赤とピンクに発色する表現型(ade-)を利用して3色刷りに挑戦していました。
この大学のイベントはなかなか好評で、毎年多くの家族連れや中高生グループなんかが来場してくれます(大学祭と同時開催なんですけどね)。ただ実験をやってもらって終了ではなくて、僕たちは普段何をしているのか、何が面白いのかといったメッセージ(大げさ)を、キャッチーな生物学豆知識を添えて伝えるよう心がけてやっています。その際、子供の質問に上手に答えられないこともありますし、大学の外の人に研究の話をするのはとても難しいです。毎年トレーニングだと思って、ラボのみんなも参加しているようですし。
以上、全然時期がずれてるんですけど投稿。
そういえば子供さんの質問で記憶に残っている質問があります。DAPIで染めた細胞を顕微鏡で観察したとき、僕が「DNAは薬で青色にしてあるんです。」と説明したら、「じゃあ本当は、DNAは何色なんですか。」って返されました。そのときは透明とか波長がどうのとか分かりにくい説明をしてしまった気がします。うまく説明出来なかったので時々思い出して後悔しています。